沖縄で総論のセミナーを開催することになりました
補綴治療「成功のカギ」は患者の顔にある
日常の歯科臨床では、1歯の修復から部分欠損治療、全顎に及ぶ治療と様々な補綴治療を行っています。
目的は機能を回復させて健康な状態を長期に維持することです。
その為には、治療が必要となった原因をいろんな観点から見つけて対処することが重要です。
その中で大きな要因としてメカニカルストレスがあります。
「力」によって天然歯や既存の補綴物が壊れ、歯周組織や顎関節の問題が発症します。
そこに細菌性の炎症が伴ってさらに事態は悪化します。
糖尿病・脳血管障害・認知症などの他、今や口腔と全身がいろんな点で強く関係していることは周知の事実です。
我々がおこなう歯科治療は患者の生涯健康において多大な影響を及ぼす重要な責務なのです。
では、どのようにすればよいでしょうか。
平均的ではなく、患者自身のお顔の形態から基準を導き出すことで、ひとりひとりの患者に調和した理想的な咬合構成が設定できます。
それを基に口腔内の評価を行い、最終的な治療ゴールを決定します。
高価な治療機器などなくとも少しの工夫で、患者さんのお顔を使って全身と調和する理想的な咬合を与えることができるのです。
治療が必要となった原因には全身からの問題が少なからず含まれています。
加齢や生活習慣によってもたらされる全身の歪から生じる異常な力は咬合にも影響を与えます。
また咬合の変化は全身へ影響を及ぼします。
歯科治療は生体と調和していることが非常に重要です。
実際の臨床では
私は次のように補綴治療を進めています。
①成長発育期の機能結果として得られた顎顔面頭蓋骨格の形態から、上顎基準咬合平面を設定し、
②顎関節が安定している状態を顎位の基準としと理想的咬合構成を設定します。
③自然頭位の変化を観察しながら咬合高径を決定します。
そして④姿勢や運動を観察し、与える咬合が全身と調和しているかを評価します。
この咬合構成が決定した後、⑤歯列形態・咬合様式・咬合面形態、咬合点、歯列による実際の咬合平面など詳細に設定します。
また、顎顔面のみならず全身の歪が大きいと思われる場合には、⑥プロビジョナルレストレーションをおこない顎位、顎運動、姿勢の変化などを基に調整をします。
⑦安定したところで最終補綴治療に進みます。
また、最近の歯科臨床では、口腔内スキャナーやラボスキャナー、CTレントゲンなどから得たデジタルデータを用いて、CAD/CAMでの補綴物作製や診査なども行われています。
これにより、精度の向上やデータの統合、仕事の効率化など多くのメリットがあります。
自院での取り組みについてもお話しさせていただきます。
