小渕セミナー

全身と調和した咬合を目指して

第34回日本顎咬合学会学術大会で発表します

2016/5/26

日本顎咬合学会学術大会が2016年6月10-11日に東京国際フォーラムにて開催されます。 

演者 日程 時間 会場
小渕 匡清 6月11日(土) 15:30 – 15:50 G505
徳本・小渕 6月11日(土) 13:50 – 14:10 G505
唐井・小渕 6月12日(日) 10:50 – 11:10 G505

私と勤務医と、歯科技工士が下記の演題で発表致します。

難症例に対する咬合再構成の工夫

顎位が不安定な症例 – 小渕 匡清

目的

咬合崩壊が著しい症例では下顎位の異常を伴っていることが多い。咬合再構成において調和のとれた下顎位を決定することは重要である。

今回、我々が行っている方法について発表する。

対象

患者:78歳 男性 

方法

長期にわたり咬合不全を訴えた患者に対し、初診時資料から咬合の診査をおこない、顎顔面骨格に調和した咬合平面を割り出し、顆頭安定位で咬合採得し下顎位の診査を行う。また高径は頭位・顔貌・安静位などから評価した。それを元にプロビジョナルレストレーションをおこない下顎位の確認後、嵌合位での咬合調整を安定するまで繰り返し行う。

結果

主訴が改善し、顆頭安定位で嵌合位が一致、正面・側面における頭位の改善がなされ、顎運動も初診時と比較してスムーズになった。

考察

顎顔面骨格の基準から決定した上顎咬合平面に対して適切な咬合高径で顆頭安定位にて咬合採得しリハビリテーションすることが有効であることがわかった。

難症例に対する咬合再構成の工夫

歯の移植とMTMを併用した症例 – 唐井・小渕

目的

咬合再構成にあたり、咬合崩壊しているような難症例に対しては、複数の治療手技を組み合わせて達成するこ

とが重要である。

今回、歯の移植とMTMを併用した症例を経験したので、考察を加えて報告する。

方法

・患者;56歳、女性。

・歯の移植;を部へ移植した。

・MTM;マルチブラケットシステムやアンカースクリューを使用し、のMTMを行った。

・咬合再構成;全顎的にプロビジョナルレストレーションを行い、咬合再構成を図った。

結果

○達成できたこと

・歯の移植、再植を用いた可能な限りの歯牙の保存

・義歯を装着したくないという患者の希望

・咬合機能改善

・審美改善

考察および結論

口腔機能の充実かつ、全身と調和することを目標にした咬合を構成するためには、様々な資料を関連付けた総

合的な診査、診断が重要になる。

そのうえで、まず治療目標を明確にしてから、治療手技や治療順序を考えることが、目標達成への近道になる

と考える。

難症例に対する咬合再構成の工夫

上顎の顎堤に著しい左右差がみられる症例 – 徳本・小渕

目的

義歯製作にあたり模型上から口腔内状態の予測が難しい症例では

歯科医師と連携し患者の情報を共有しながら技工作業を進めていく

事が重要である。

今回、上顎の顎堤に著しい左右差がみられる症例で良好な結果を得

たので考察を加えて報告する。

方法

患者 ××歳 男性

口蓋骨を基準にした模型分析でロウ堤製作する。

チェアサイドで採得したカンペル平面バイトを用いて咬合器に装着

後、歯科医師との相談のうえ、骨格に調和した上顎咬合平面、咬合

高径の決定等、緻密な評価を行う。

Ⅲ結果

顎顔面骨格と調和し、口腔内では上下顎のバランスを考慮した義歯

製作でき、審美的改善と咬合機能の向上が得られた。

考察および結論

上顎の顎堤に著しい左右差がみられるような症例では、

模型からの情報だけでは、患者の骨格、口腔内を考慮した義歯の製

作は困難であるが歯科医師と密に連携することにより、それが達成

された。

またチェアサイドでのカンペル平面バイト採得や咬合高径、顎位の

採得を考慮した技工物製作の工夫が必要だと考える。

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